[食由来酵素] と [体内生成酵素] の分別と連係

 「食物酵素」と「腸内微生物酵素」は、共に「食」に由来しますので、大枠で[食由来酵素]としてくくることができます。
 「消化酵素」と「代謝酵素」は、共に体内で生成されますので、大枠で[体内生成酵素]としてくくることができます。

 人体には、「消化・吸収」という過程があり、このフィルターを通り抜けなければ、食べ物は栄養成分として摂り込めません。この腸管から「消化・吸収」される前までの過程は、本来の意味からは「身体の中の外」となります。腸管から「消化・吸収」されてはじめて血液に入り、正式に「身体の中の内」となります。

酵素の連携

分別する必要性

 [酵素=エンザイム]は、アミノ酸が何百個もつながっている分子構造の大きなタンパク質なので、腸管を通り抜けることはできません。基本的に腸管を通り抜け吸収できるサイズは、アミノ酸が1 ~ 3個なので、「食由来酵素」も一度はアミノ酸にまで分解される必要
があります。

 ここで重要なことは、この「食由来酵素」と「体内生成酵素」とを、決して同一視してはいけないということです。この二つを混同してしまうと、[酵素=エンザイム]の基本が理解できなくなってしまいま
す。

食由来酵素と体内生成酵素の違い

 分別する必要性のもう一つの大きな理由は、免疫反応と関係するタンパク質の特性にもあります。生物にとっては、「食由来酵素」は「自分の身体の中のタンパク質ではない=非自己タンパク質」で作られており、「体内生成酵素」は「自分の身体の中のタンパク質=自己タンパク質」で作られているからです。

 この二つは免疫学上決して混同できませんので、まずは分別する必要性があるのです。